『花束みたいな恋をした』を讃える。
こんにちは。elephantearです。
先日、菅田将暉さん、有村架純さん主演の、『花束みたいな恋をした』を観てきました。
ものすごくリアルで、悲しいけど、あったかい、とにかく素晴らしい作品だったので、今日はそれについて心行くまで語りつくしていきたいと思います!!
と、その前に、、、
みなさんは映画館でどのあたりの席を選びますか?
私は決まって、「後ろの方の真ん中の席」を選びます。
今回も、いつもと同じように「後ろの方の真ん中の席」を選び、チケットを発券しました。Rの15でした。
友達とチケットを見ながら、「ぱっと見年齢制限みたいだよね~」と話しながら、Rの列を目で探しながら階段を上っていったわけなのですが、、、
もう、お気づきの方もいるかもしれません。
そう、Rというのは、
ABCDEFGHIJKLMNOPQ、Rなんです。
やっとRに辿り着き、席に座ってから、私たちは顔を見合わせました。
「え、、、遠くない、、、、、?」
いつもは視界目一杯に広がっていたスクリーンも、さすがのRとなれば、スクリーン全体が余裕で視界に収まってました。はい。
上映中、LINEのやり取りが映るシーンもあったのですが、友達と全力で前かがみになっても、目に精いっぱいの力を送っても、、、
文字は読めませんでした。(シンプルに涙)
私は数年前から、映画のチケットをノートに貼って記念にするという思い出作りなるものをしていたので、家に帰って見返してみたのですが、GHIがほとんどで、さすがにRは1つもありませんでした。
みなさん映画館で席を選ぶときは、アルファベットにご注意ください。(切実)
では、ようやく本題に入りたいと思います。
映画の内容に関しても、がっつり語っていこうと思うので、まだ観ていない方はご注意ください。(2回目)
映画の内容をざっくりまとめると、「終電を逃したところから始まる、麦くんと絹ちゃんの5年間のラブストーリー」でしたね。
好きなものがぴったりと同じで、きれいに自然に惹かれ合っていく2人の姿は、観ているこちらもにやけてしまうくらい、恋愛の楽しさを体現されていました。
ファミレスでパフェを撮ると思いきやの告白シーンや、カラオケできのこ帝国の「クロノスタシス」を掛け合いながら歌うシーン、海辺で写真を撮るシーン。
日常でありながら、頭に残る、好きなシーンがとても多かったです。
多摩川が見渡せる駅から徒歩30分のマンションもすごく好きだなあと思いました。
(実際に住むのは、すごく不便だろうけど)
そこから、麦くんがサラリーマンになったことで、徐々にすれ違ってゆくのですが、それがセリフだけでなく、2人の細かい表情からも切々と感じられて、観ているこちらも胸が苦しくなりました。
予告の映像にも映っているのですが、麦くんが仕事を理由に絹ちゃんと約束していた予定を断った時のシーンで、絹ちゃんが「またかとは思うよ、またかだから」と言ったあとの麦くんの表情がたまらなくリアルで、どっちかが悪いといった簡単な話ではなく、どちらの立場も、わかる、、、に尽きる苦しさでした。
結局、2人は別れを決意するのですが、最後のファミレスでのシーン。
これまでの5年間の写真を振り返りながら絹ちゃんが「楽しかったね。」と言ったシーン。涙が止まりませんでした。
ここで2人は、まだお互いに「別れよう」とは口にしていないんです。
それでもお互い今日別れようと決意して、お互いそれがわかっているというこのシーン。
この「楽しかったね」は完全に過去形の言い方だったんです。
いま思い出しても、涙が溢れてきそうです。
たまらなく切ないお別れだったのですが、この映画は別れた後の2人の様子も映してくれていましたね。
「別れなくてよかったじゃないかあああああああああ」
と思っていた私ですが、その後の幸せそうな2人をみて、少し心が落ち着きました。
これまで、最終的にお別れしてしまうお話は、ハッピーエンドではないと当たり前のように思っていました。悲しいお話だと思っていました。
でも今回の作品を観て、別れたって、それはハッピーエンドにもなるんだなと感じました。
麦くん絹ちゃんは最終的には別れてしまいましたが、いや、別れてしまったという言い方自体がまだ、2人が一緒に歩み続けることを良いこととしていますね、
仕切り直して、
2人は別々の道を歩んでいくことになりましたが、2人の5年間はお互いにとって、楽しく、幸せで、あるべくしてあった人生だったのだと思います。
ストーリーを中心に語ってしまいましたが、作品に登場するたくさんの固有名詞も魅力の1つでしたね。
今村夏子さんの「ピクニック」は今度図書館で借りようと思っています。
こんな素敵な作品に出会えて、本当に良かったです!!